山陰地方では、江戸時代よりトビウオをあごと呼んで親しんできました。6月頃になると産卵のため出雲地方にやってきます。一番脂がのって旬の時期を向かえます。
野焼きとはその昔、あごを焼く際に出る煙や熱気を避けるために外で焼いたことに由来します。
弊社では、鮮度の良いトビウオを使用し味付けはうま味調味料は使わずトビウオ本来の旨味、塩、砂糖、みりん、地元酒造の粕取り焼酎で独特な風味、味付けをし、すり身を作ります。それを棒に巻きつけ焼き上げればあご野焼きの完成です。大きなものでは長さ40cm以上の製品もあります。
出雲市大社地方のしめ鯖かまぼこは真鯖の半身と白身魚のすり身を接着し、酢に数日間漬け込んで作ります。
製法は約60年前、別所仕出し店(現在の有限会社別所蒲鉾店)を営んでいた竹並艶一郎氏によって開発されました。仕出しをしながら蒲鉾の製法も研究し、その技術でしめ鯖かまぼこを作り、仕出し料理の一品として提供していました。
そして、竹並艶一郎氏は家業の閑散期に弊社を含む3社の蒲鉾店に赴き、蒲鉾の製法を教授するとともに、蒲鉾製造を手伝っていました。この時しめ鯖かまぼこの製法が伝承され今日に至ります。